top of page
2304_demaetori_edited.png
sdg_icon_11_ja_2.png
sdg_icon_12_ja_2.png

ゴミの最終処分場の寿命はあと20年?

for 3.png
gomi01.jpg
2040年にゴミを埋め立てるための最終処分場(埋立地)が失われる
 

" 環境省では今年の3月に令和元年度のデータを基に、「およそ20年で日本全国のゴミの埋め立て場・最終処分場が満杯になり、ゴミを埋め立てできなくなる」と発表しています。SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」では持続可能な生産消費形態を確保することを目標としています。具体的にはターゲット12-4に「2020年までに合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。」と定められています。

こうした中、毎日大量のゴミが発生する日本ではゴミ処理場の逼迫を避けるため、リサイクルできるゴミを資源ゴミとして中国など主に東南アジアの国々へ輸出していました。しかし、2018年に中国が資源ゴミの輸入禁止を始めました。それまで自国の資源ゴミの処理を海外への輸出に頼ってきた日本はゴミの受け入れ先を失ったため、これらのゴミの量やゴミの処理について考える必要が出てきました。

日本のゴミの量と処理の現状

現状、日本の一般廃棄物の総排出量は4,274万トン(東京ドーム約115杯分)で、1人1日当たりのゴミ排出量は918グラムです。日本は焼却炉の数が世界1位の1067施設です。焼却率も世界ダントツ1位の77%。ちなみに2位のノルウェーが57%、3位のデンマークが54%となっています。日本は国土が小さいことから一度ゴミを燃やして最小限の大きさにしてから埋め立てる必要があるため世界全体で見て焼却率の数値が高くなります。

また、日本のリサイクルやコンポスト(堆肥にする処理方法)率は低く先進国(OECD)の平均34%の中、日本は20%未満となっています。日本のリサイクル率が低い原因は、日本のごみの主な処理方法が焼却処理になっていることも含まれてきます。

中国がゴミの輸入を禁止しましたが、中国以外の東南アジアの各国でも環境規制のため、ゴミ輸入を禁止することが進んでいます。こうした背景から2019年6月、ついに日本はゴミ処理に手が追いつかなくなり、環境省は「一時的に保管できるプラスチックゴミの量を2倍に引き上げ」、「産業用のプラスチックゴミを焼却炉で燃やせるように要請」という緊急措置をとっています。なので、今後さらに最終処分場の寿命が短くなっていくのは確実でしょう。

私たちにできること

ゴミの廃棄ができないと、有害ガス・悪臭による公衆衛生問題の発生、不法投棄・不法な処理の増加、水質・地質汚染などの問題が発生してきます。これらの問題は自然環境に影響を及ぼし、土壌や地下水などが汚染され、私たちが生きていくために必要な水や食料の安全も脅かされてしまいます。


このような問題を解決していくために、多くの企業では市場で販売した製品を使用後に回収し、部品を再生あるいはリサイクルすることで、埋立地に送る廃棄物を可能な限り抑制するクローズド・ループ・システムへの取り組み」を進めています。


私たちの生活の中でも例えば、ゴミの量を減らすためにレジ袋は使わないでマイバッグを持参することや、マイ容器やマイ箸をつかうなど、なるべくごみを増やさない行動をとっていくことで、廃棄物の抑制、リサイクルの取り組みをさらに普及させていき、目標12のテーマである持続可能な生産消費形態を確保することの達成に近づいていくのではないでしょうか。"

引用参照:https://sdgsmagazine.jp/2021/06/10/1825/#
ECO.png
sdg_icon_13_ja_2.jpg
sdg_icon_14_ja_2.jpg
sdg_icon_15_ja_2.jpg

2050年、もしプラスチックが海の生き物の量を上回るとしたら地球の環境はどう変わるのだろう?

for 11.png
naja-bertolt-jensen-IUBc0cxN7Lc-unsplash.jpg
for 11_edited.png
今、世界で起きている「海洋プラスチック」の問題

 

" 洋服から自動車、建設資材に至るまで、私たちの生活のあらゆる場面で利用されているといっても過言ではないプラスチック。

手軽で耐久性に富み、安価に生産できることから、製品そのものだけでなく、ビニールや発泡スチロールなどの包装や梱包、緩衝材、ケースなどにも幅広く使われています。

しかし、プラスチックの多くは「使い捨て
」されており、利用後、きちんと処理されず、環境中に流出してしまうことも少なくありません。手軽に使える分、手軽に捨てられてしまう、そうした面もあるといえます。

そして環境中に流出したプラスチックのほとんどが最終的に行きつく場所が「海」です。
プラスチックごみは、河川などから海へと流れ込むためです。

既に世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみは、合計で1億5,000万トン。そこへ少なくとも年間800万トン(重さにして、ジェット機5万機相当)が、新たに流入していると推定されています

こうした大量のプラスチックごみは、既に海の生態系に甚大な影響を与えており、このままでは今後ますます悪化していくことになります。

例えば海洋ごみの影響により、魚類、海鳥、アザラシなどの海洋哺乳動物、ウミガメを含む少なくとも約700種もの生物が傷つけられたり死んだりしています。このうち実に92%がプラスチックの影響、例えば漁網などに絡まったり、ポリ袋を餌と間違えて摂取することによるものです。プラスチックごみの摂取率は、ウミガメで52%、海鳥の90%と推定されています。

このようなプラスチックごみは、豊かな自然で成り立っている産業にも直接的、間接的な被害を与え、甚大な経済的損失をもたらしています。例えば、アジア太平洋地域でのプラスチックごみによる年間の損失は、観光業年間6.2億ドル、漁業・養殖業では年間3.6億ドルになると推定されています。

一度流出したプラスチックごみは、例えば海岸での波や紫外線等の影響を受けるなどして、やがて小さなプラスチックの粒子となります。5mm以下になったプラスチックは、マイクロプラスチックと呼ばれていますが、これらは、細かくなっても自然分解することはなく、数百年間以上もの間、自然界に残り続けると考えられています。

これらプラスチックごみやマイクロプラスチックが、世界中の海に浮遊、堆積しています。

マイクロプラスチックは、日本でも洗顔料や歯磨き粉にスクラブ剤として広く使われてきたプラスチック粒子(マイクロビーズ)や、プラスチックの原料として使用されるペレット(レジンペレット)の流出合成ゴムでできたタイヤの摩耗やフリースなどの合成繊維の衣料の洗濯等によっても発生しています。

製造の際に化学物質が添加される場合があったり、漂流する際に化学物質が吸着したりすることで、マイクロプラスチックには有害物質が含まれていることが少なくありません。そして、既に世界中の海に存在するマイクロプラスチックが海洋生態系に取り込まれ、さらにボトル入り飲料水や食塩などに含まれている可能性が指摘されています。

マイクロプラスチックについては、人を含む生物の身体や繁殖などに、具体的にどのような影響を及ぼすのか、詳しいことはまだ明らかにされていません。しかし、本来自然界に存在しない物質が広く生物の体内に取り込まれた結果を、楽観視することは許されません。

拡大する問題とその原因 特にアジアの課題

プラスチックの年間生産量は、過去50年で20倍に増大しました。しかし、これまでにリサイクルされたのは、生産量全体のわずか9%に過ぎません。そして、前述しましたように、これらのプラスチックは自然界の中で、半永久的に完全に分解されることなく存在し続けます。

この問題になっている海洋プラスチックの8割以上は、陸上で発生し海に流入したもの。特に多いのが、使い捨て用が中心の「容器包装用等」。この用途に使われるプラスチックは、世界全体のプラスチック生産量の36%、世界で発生するプラスチックごみの47%を占めていると考えられます。

海で発生する海洋プラスチックは、陸上からの物と比較すれば多くありません。しかしながら、やむを得ず放棄されたもしくは投棄された漁具(ALDFG: Abandoned, lost or otherwise discarded fishing gear)の多くがプラスチックでできたものであり、特に深刻な問題を引き起こしています。

その一例が、「ゴーストネット」と呼ばれる、廃棄された漁網です。例えば「流し網」などは何キロにもおよぶ長さを持つ漁網ですが、主にプラスチックでできています。これら漁網が意図的であるかどうかに関わらず、一旦海に廃棄されると、やはり分解されることなく長い間海に残り続けます。そして、アザラシや海鳥、ウミガメなどに誤って絡まり、これらの動物がひどい場合には何年間も苦しんだりして命を落とす問題が、世界各地の海で頻発しているのです。

「海洋プラスチック」2050年の予測

ダボス会議で知られる世界経済フォーラムは、現在、海へ流入している海洋プラスチックごみは、アジア諸国からの発生によるものが、全体の82%を占めるとしています。
環境に負荷をかけた、
持続可能とはいえない経済発展が続く限り、この海洋プラスチックの問題も、今後さらに拡大すると考えられています。
同フォーラムは、2050年にはプラスチック生産量はさらに約4倍となり、それに応じた海洋へのプラスチック流出の拡大により、「海洋プラスチックごみの量が海にいる魚を上回る」というショッキングな予測を発表しています。

 

さらに、プラスチックの原料となる原油の使用は、地球温暖化の主要な原因の一つ。プラスチックの生産拡大傾向がこのまま続くと、パリ協定の目標である「2℃未満」を達成するときに許される2050年の排出量の約15%を、プラスチックの生産および焼却時の排出が占めると試算されています

日本として取り組むべきこと

 

日本はプラスチックの生産量で世界第3位。特に1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量については、世界第2位と、この問題に国際的な責任を持たなければならない立場にあります。
実際コンビニの普及もあり、国内で年間に流通するレジ袋の枚数は、推定400億枚で、一人当たり一日約一枚のペースで消費されています。また、ペットボトルの国内年間出荷は227億本に達します。

日本では廃棄されるプラスチック(廃プラ)の有効利用率が84%と特に進んでいるとされていますが、全体の57.5%は、燃焼の際にエネルギー回収をするものの燃やす「サーマルリサイクル」という処理方法に頼っています。これはつまり、化石燃料を燃やし、CO2排出しているということですので、今後ますます深刻化する地球温暖化への対策まで含めた視点で見たときに、とても資源が有効かつ持続可能な方法で利用されているとは言えません。

また、日本は年間150万トンものプラスチックくずを「資源」という位置づけで中国を中心にアジア諸国に輸出していました。しかし、世界最大の輸入国である中国がリサイクル処理に伴う環境汚染などを理由に2017年から輸入規制を始めたことで、日本のプラスチックごみの行き場がなかなか見つからないといった問題も起こっています。しかしプラスチックくずの海外輸出については、プラスチックごみの処理を、処理体制が整っていないアジアの途上国に実質的に押し付けることにより、アジアからの海洋プラスチックごみ流出を加速させることにつながるとして懸念する声もあります。他の輸出先を探すのではなく、輸出すること自体を見直すべきではないでしょうか。

海洋プラスチックの問題は、ごみの廃棄やリサイクルの側面だけでなく、自然そのものへの影響についても深刻です。日本沿岸で回収された漂着ごみは年間約3万トンから5万トンにも及びます。モニタリング調査によると、漂着ごみにおいて、海外から流れ着くものを含めたボトルや漁網等プラスチック類が占める割合は個数をベースにすると65.8%。また、日本近海でのマイクロプラスチックの濃度は、世界平均の27倍にも相当するという調査結果もあります。

海洋プラスチックの問題を解決していくうえでは、法律の整備に基づいた生産・使用削減やリサイクルシステムの改良などが重要な手立てになりますが、そうした政策面での改善は、日本はまだ遅れを取っています。2018年6月にカナダで開催されたG7シャルルボア・サミットにて、プラスチックの製造、使用、管理及び廃棄に関して、より踏み込んで取り組むとする「G7海洋プラスチック憲章」に、日本とアメリカだけが署名しなかったことが、それを示す顕著な例となります。

問題の解決に向けて

プラスチックごみの問題を解決するために必要なことの基本は、いわゆる3Rです。

  • リデュース(Reduce)=出すごみの総量を減らすこと

  • リユース(Reuse)=再利用すること

  • リサイクル(Recycle)=再生産に回すこと

 

これを徹底することが、海に流入するプラスチックを減らすことにつながります。

とりわけ、プラスチック生産量の多い日本の場合、重要となるのは生産・使用を「リデュース=減らすこと」。特に、日本でも廃プラの約半分を占める「使い捨て用が中心の容器包装等のプラスチック」を減らすことで、最も効果的なリデュース推進が可能となります。

世界では、使い捨てプラスチックの代表格であるレジ袋の使用規制が、2018年2月の時点で45か国以上で発効、若しくは、議会承認を受けています。課税・有料化を決めた国を含めると60か国に上ります。

日本でも神奈川県が、鎌倉市の海岸に打ち上げられたシロナガスクジラの胃の中からプラスチックごみが発見されたことをきっかけに、2030年までのできるだけ早期に、リサイクルされない、廃棄されるプラごみゼロを目指すとの「かながわプラごみゼロ宣言」を行いました 。
今日本では、これら先進事例に学びながら、負の遺産ならぬ負のプラスチックごみを未来の世代にのこすことのないよう、取り組みの強化が求められています。"

引用参照:https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html
PHOTO:https://unsplash.com/ja
for 7.png
julia-joppien-krCTg4cKtVQ-unsplash.jpg
bottom of page